東京オリンピックによって失った物を嘆いている先生のテキストにどこか引っかかりを感じてしまった。私は決して懐古主義者ではない。それでも確かに急激な近代化によって失われた日本独自の土着の景色を懐かしむ気持ちは分からなくもない。実際に感じた事は無いが。
先生は中国でも同じことが起きるだろうという事を予言している。大きな資本の力によればミクロの文化なんてあっと言う間に消されてしまう。当たり前の事だけど、誰もその事を言う人はいない。
「このご時世」。長引く不況下で聞かない日が無いぐらい職場でもプライベートでも枕詞のように使われる言葉だが、もう聞き飽きた。不況下では人間は懐古主義になるものだ。多分。しかしながら世論にこの論調はあまり見られない。不況とは言うもののどこかでイノベーションが起きて急速に景気回復するのではないかという期待が燻っている。前向きな世論は非常に心強い。
中国の話に戻るが、政府の施策により未だ高い成長率を維持しているこの国では、現在も急激な開発が進行中である。ここでも一つ懐かしい風景が消えて行く。
そこに憂いを感じる私も、この国に投資しリターンを求める罪深い人間のひとりだ。投資自体が悪だなんて言うつもりは全くないが、こんな些細なことが矛盾を孕んでいる事に気づかされ少し切ない想いをする。
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